チーズの店コンテ CONTE

【北海道チーズ巡り】チーズ工房アドナイ/興部町

「北海道のチーズについて、もっと詳しく知りたい!どんな人が作っているの?」
そんな声にお応えするためにの連載【北海道チーズ巡り】。
第8回目は、「チーズ工房アドナイ」(興部町)です!

「チーズ工房アドナイ」(興部町)

北海道の町村に行くと、”うちの町は暮らす人間よりも牛の方が多いよ〜”なんて言葉を耳にします。
チーズ工房アドナイのある町、興部(おこっぺ)町もそのひとつ。 「おこっぺ」とはアイヌ語のオウコッペ。「川尻の合流しているところ」という由来をもつ、漁業と酪農業が盛んな道北の町です。
 

「チーズ工房アドナイ」(興部町)
▲建物外観

チーズ工房アドナイが誕生したのは1994年。
まだまだ日常の食卓ではチーズが珍しかった時代です。
北海道チーズの歴史の中では第二世代ともいわれている堤田克彦さんが、乳業に携わるかたわら、ほぼ独学で試行錯誤を繰り返しながら今日の北海道チーズの土台を作りあげてきました。

▲人気のウォッシュタイプ「フロマージュ・ド・エール」

古い牛舎を改装した工房で作られるチーズは、モッツァレラやマスカルポーネ、カチョカバロ、白カビ、ウォッシュ、ハードと実に多種多様。
その中でも、当店コンテでの定番は白カビタイプ「さゆり」と、ウォッシュタイプの「フロマージュ・ド・エール」。
しっかりと強さのある風味はレストランシェフからご指名があるほどに人気です。

原料の生乳は近くの信頼する酪農家さんから。
いくつかの牧場から届く生乳は、育て方や季節によって異なります。
その異なる性質を活かして、作るチーズに合わせて生乳を使い分けることも。
チーズ作り専門の工房だから可能な方法かもしれません。

可愛らしい子羊のマークは、聖書に出てくるいけにえの子羊がモチーフ。
工房を見渡しても羊はいないのに、なぜ羊のマークなのかな?と思っていましたが、”守り、導いてくれるイエス・キリスト”を表す、あたたかな思いが込められていました。

▲あたたかな思いが込もった看板

現在は息子さんたちも製造販売に携わり、家族みんなでアドナイの味を届けてくれています。 (木箱に貼られたロゴシールは、ペリッと綺麗に剥がれるのでステッカーとして使うのもオススメですよ^^)

ちなみに、興部町にはアドナイ、ノースプレインファーム、冨田ファーム、パインランドデーリィと、4つのチーズ工房があります。
車ならサクッと回れる範囲にかたまっていて、チーズ巡りにぴったり!
穏やかで、飾らない北海道らしさが魅力の町です。

<筆者プロフィール>
足立唯/あだちゆい
北海道のチーズを食べるのが趣味のコンテスタッフ。
チーズ好きが高じて販売に携わるようになり、道内外のチーズイベントに出没。
道産チーズのミニ講座や物書きとしても活動中。
JR北海道の車内誌『THE JR Hokkaido』の〈道産子のお気に入り〉ページにて、北海道の食にまつわる場所を紹介するコラムを執筆。2018年5月〜2020年3月まで、全12回。